【福井】今年度のセンター試験数学について【進学塾ダーウィン】
- 2019.01.22
- 受験情報
1/19、20に平成最後となるセンター試験が行われました。
ここでは、センター試験の数学Ⅰ・Aと数学Ⅱ・Bについて講評していきます。
数学Ⅰ・Aの講評
まず数学Ⅰ・Aですが、必答問題である第1問、第2問は例年より易化しました。
第1問の数と式の問題では、気づきが必要とされるようなものでもなく複雑な計算でもありませんでした。
根号と絶対値の基礎が理解できていれば手の止まることなくスムーズに解けたはずです。
命題の問題についても、与えられた条件は全く複雑なものではなく、解きやすい問題でした。
そして2次関数の問題は、ただ平方完成さえ間違えなければ完答出来たはずです。
第2問の図形と計量の問題は、特に難しい問題ではなく、与えられた条件下での正しい図さえかければ正解にたどり着けたはずです。
データ分析の問題は、難易度的には標準的ですが、(3)の出来で差がついたのではないでしょうか。
そして選択問題ですが、多くの生徒が解いたであろう第3問の場合の数・確率の問題が難化しました。
(3)以降の問題をすべて落とした生徒も少なくないかもしれません。
いわゆる「確率漸化式」の問題を解く際に用いる考え方をしなければならず、そのことに戸惑った生徒も多かったのではないでしょうか。
かなり高い数学力を有している生徒でないと完答は難しかったと思われます。
第4問と第5問に関しては、難易度は標準的であり、最後の設問を解くことは難しいとしても、
誘導に乗って問題で行われていることがしっかりと把握できていれば十分に得点できる問題です。
数学Ⅱ・Bの講評
次に数学Ⅱ・Bについてですが、はっきり言って例年と比べると易化しました。
その理由としますと、
①第1問の三角関数、指数・対数関数の問題が全く真新しさのないステレオタイプの問題が出題された。
②第2問の微積の問題で、面積等を出す際に複雑な計算が必要とされなかった。
からです。
したがって第1問と第2問をいかに確実に得点できたかで出来不出来が分かれたかと思います。
また第3問の数列、第4問のベクトルの問題についても、典型問題と言える問題が出題されました。
ただし、第3問の数列の問題では、途中で誘導の意図が分かりづらく、漸化式が出しづらかったかもしれません。
ただそれさえ出せれば完答までたどり着けたはずです。
また第4問のベクトルの問題についても、状況をしっかりと把握し正しい図形を捉えられないと正解にたどり付けなかったかもしれません。
しかし、難易度的には決して標準の域を出るものではありませんでした。
センター試験を乗り越えるために
数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bの両方に共通して言えることですが、とにかく基礎力のない生徒はまずセンター試験を戦う土俵にすら立てません。
よく基礎がおぼつかない状態で小手先のテクニックだけ身につけようとする生徒がいますが、そんなもの実戦では到底使えません。
センター試験の国語等で自分の実力以上の点数が取れることはまだあり得ますが、
数学で今自分の持っている数学力以上の点数が取れることはまずありえません。
したがって、センター試験の数学で8割以上得点したいのであれば、
まずはサクシードなどの教科書傍用問題集を完璧に解けるようにしましょう。
サクシードであれば、左ページの重要例題を見た瞬間に解答までの道筋が頭の中に浮かんでくるようになれば一人前です。
はっきり言いますが、その領域に達していないのにマークの演習を積んでも時間の無駄です。
そもそも問題が解けないのに、時間内に実戦問題を解く訓練をしても無駄なことは自明ですよね。
センター試験は来年度で終了し、共通テストに移行しますが共通テストでも同じことです。
共通テストではより思考力を試されるような問題が出題されるため、そもそもテクニックなど通用するはずもありませんが。
こういった試験で高得点を目指すのであれば、普段から基礎の定着を意識して学習していくほかありません。
1回だけやって定着するなんて生徒も確かに存在はしますが、残りの99.9%ぐらいの生徒はそうではないのです。
定着するまで繰り返していく内に、徐々に徐々に漸進できていくのではないでしょうか。
まずは教科書傍用問題集を完璧に解けるようになることを目指しましょう。
2019年1月23日
進学塾ダーウィン本部校
安川 大祐