【福井】向き合うこと【進学塾ダーウィン】
みなさま、こんにちは、こんばんは。ダーウィン福大前校の教室長の関口です。
今年も残すところ早1か月半となりました。ここ最近は、日が落ちるのも本当に早くなってきました。
小学生の生徒の授業が終わって帰るころには、すっかり真っ暗になっています。学生のみなさん、帰るときは気をつけて帰ってくださいね!
今回は、私の好きなお話を紹介いたします。なお、今後折り込む予定の、福大前校チラシにも同じ話を記載予定です(笑)。長文です、申し訳ございません...
ある新米の女性の先生の話です。5年生の担任として就任した時に、一人、服装がだらしなく、どうしても好きになることができない少年がいました。そのうちに、その先生は、中間記録には少年の悪いところばかり記入するようになっていました。
しかしある時、少年の1年生からの記録が目に留まりました。
『朗らかで、友達好きで、誰にでも分け隔てなく親切で、勉強もよくできて将来が楽しみ』と書かれていました。
その先生は、これを目にしたとき、「間違いだ、他の子の記録に違いない」と感じました。
そして次に2年生の記録を読むと、『母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻をする』と書かれていました。3年生では、『母親の病気が悪くなり、疲れていて教室で居眠りをする』そして後半の記録には『母親が死亡。希望を失い悲しんでいる』とあり、4年生になると『父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力をふるう』とありました。
先生の胸に痛みが駆け抜けました。ダメと決めつけていた子が、突然深い悲しみを生きている生身の人間として、自分の前に立ち現れました。
先生にとって、目を開かされた瞬間でした。放課後、先生はその少年に声をかけ、
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから」と言うと、少年は輝くような瞳と笑顔で「はい!!」と答えました。
それからは毎日、少年は教室の自分の机で、熱心に予習・復習を続けました。授業で少年が初めて手を挙げたとき、先生は大いに喜びました。少年は自信を持ち始めていました。
クリスマスイブの午後でした。少年が小さな包みを先生の胸に押し付けてきました。後で開けてみると、それは香水の瓶でした。亡くなったお母さんが使っていたものに違いない、先生はその香水を身につけ、少年の家を訪ねました。雑然とした部屋で、一人で本を読んでいた少年は、気が付くとすぐに飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫びました。
「ああ、お母さんの匂い!今日はなんて素敵なクリスマスだ!」
6年生では、先生は少年の担任ではなくなった。卒業の時、先生に少年から1枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。そして、今まで出会った中で一番素晴らしい先生でした。」それから6年後、またカードが届きました。
「明日は高校の卒業式です。僕は5年生で先生に担当してもらってとても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができました」
10年を経て、またカードが届きました。そこには先生と出会えたことへの感謝と父親に暴力を振るわれた経験があるから、患者さんの痛みがわかる医者になれると書かれていて、こう締めくくられていました。
「僕は5年生のときの先生を思い出します。あのままダメになってしまう僕を救ってくださった先生を、神様のように感じます。医者になった僕にとっての最高の先生は、5年生の時に担任してくださった先生です」
そして1年後・・・届いたカードは結構式の招待状でした。そこには1行書き添えられていました。
『母の席に座ってください』
長い文章にも関わらず、お読みくださりありがとうございます。
どのようなことを感じられたでしょうか。この文章に出てくる先生は、あることがきっかけで、自分の今までの生徒に対する見方を反省し、改めることで生徒の心を開くことができました。
表面的に見える部分で判断してしまうというのは誰にでもあると思います。また、なかなか自分の過ちを認め、素直に改善するというのも難しいところがあります。
子どもにとって、自分と向き合い、認めてくれ信じてくれる大人の存在はとても大きいと思います。
テストや試験といったものでは、良くも悪くも結果が出ます。よかった時も、悪かった時も、その時の大人の接し方ひとつで、その後の子どもたちは変わるでしょう。
学診を終えた中3生のみなさん。結果はどうだったでしょうか。もしあなたが一人で不安を抱えているなら、ダーウィンに来てください。ダーウィンはあなたという人を信じますから・・・
2022年11月15日
ダーウィン個別指導学院
福大前校教室長 関口 雅仁